Voyage to Crafts ものづくりのであい “陶芸・野口悦士”

ものづくりの種は人と人の出会いから生まれる。
九州を南へ往き、鹿児島の地へ。
陶芸家・野口悦士さんの工房を訪ねました。

陶芸家 野口悦士さん
2025.12.13

photo: Masahiro Sakabe
text: Yuko Enjoji



鹿児島の陶芸家・野口悦士さんの工房を訪ねた。


野口さんの作品は、まるで長い年月を経て土の中から現れたような深く複雑な「緑青」のような錆の質感。


「焼きしめ」の器は、釉薬をまとわない分、土そのものの力強さが前面に現れる。


「灰白」、「白釉」などのそれぞれ個性をもった器の種類がある。


訪ねた前の晩、野口さんは自ら台所に立ち、季節の素材をひとつひとつ丁寧に料理してくれた。
艶やかな鉢、土の表情を残した皿。どれも野口さん自身が手がけた器だ。




素材の輪郭がくっきりと立ち上がり、器に心地よく収まっている。
盛りつけられた瞬間に完成する、料理と器の静かな調和。
野口さんの器は、日々の食卓を豊かにし、そしてとても美しい。





工房で、野口さんが話していた「手と器の一体感」。
ろくろを回していながらも、土と手がまるでつながっているかのように滑らかに
一体となり動き、土から離れるタイミング、すべてが器の輪郭となっているようだった。

土から生まれ、手を経て、暮らしへ。野口さんの器は、使われることで完成する。
料理をつくり、器をつくる。どちらにも通うのは、素材へのまなざしと、使い手への想像力。野口さんの器が暮らしのなかで心地よくなじむ理由は、その両方を知っているからなのだろう。

Directer's Note
Nozakiのひとりごと
野口君との出逢いは、熊本の陶季さんで開催された展示会でした。
作品を見て衝撃を受けたのを思い出します。その器たちは素朴だけどシャープで独自の雰囲気を出していました。

その後は陶季さん達との会食を通じ、野口君の飾らない人間性の良さとお酒を美味しそうに呑む人柄で仲良くなり、鹿児島の工房にもうかがうようになりました。野口君の器での手作り料理をごちそうになり、ますます野口君の器の良さがわかるようになりました。
彼は酒呑みです!酒に合う器作ります!食卓の皿や酒器が美味しそうな色気を出してくれます!
monologue by Masamitsu Nozaki
TIGRE BROCANTE Brand Director
PROFILE

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