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2025.09.21

Voyage to Crafts ものづくりのであい “デニムを織る”

各地の作り手を訪ねた旅路の記録。

瀬戸内の山間をたどり向かったのは広島との県境にほど近い岡山・井原(いばら)の地。

綿織物と藍染の手仕事を歴史背景に持つ、国産デニムのルーツとも言われる地域です。

歩むに連れて聞こえてくるのは昔ながらの力織機が力強く動く音、その源を訪ねました。

photo: Masahiro Sakabe
text: Yuko Enjoji

広大な敷地にそびえる、歴史あるデニム生地織工場。

その内部へ一歩足を踏み入れると、耳を打つのは無数の織機が立てる大きな音だ。

天井の高い工場内には、びっしりと並んだ大きな織機が、休むことなくデニムの生地を織り上げている。

その中を職人たちが一台一台の機械を丁寧に見回り、正確に動いているかを

細かくチェックし、わずかな異音や振動の違いも見逃さない。

この工場では、1時間に織り上がるのはおよそ5メートル弱の生地。

決して効率重視とは言えない数字だが、それは「風合い」や「手触り」、

さらには「将来の色落ち」や「ちぢみ方」まで計算された丁寧な仕事の結果だ。

デニムの生地にも種類があり、粗めのものから高密度のものまでさまざまだ。

織機による大量生産でありながらも、糸の種類を変えるのは機械ではなく人の手。

さらに驚いたのは、最終的な検品も人の目で行われているということ。

キズや汚れなど、どんなに細かい異常も見逃さないためだ。

無機質に見えるデニム生地の向こうには、目には見えにくい職人の技と誇りが織り込まれている。

Directer's Note

Nozakiのひとりごと

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