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2025.08.20

Voyage to Crafts ものづくりのであい “吹き硝子・三宅義一”

ものづくりの種は人と人の出会いから生まれる。

各地の作り手を訪ねた旅路の記録。

今回は晴れの国・岡山、神話や歴史の面影残る吉備の地へ。

明々と燃える炉の熱に魅せられて訪ねたのは三宅義一さんの吹硝子工房。

そこで出会ったのは早朝から炉に火を入れ、一心に作品を吹く三宅さんの姿でした。

吹きガラス作家 三宅義一さん

2025.05.13

photo: Masahiro Sakabe
text: Yuko Enjoji


三宅さんがひとつひとつの工程を説明しながら、ワイングラスを作り上げていった。

炉の中で溶けたガラスが、まるで生き物のように形を変えていく様は目が離せないほどに見入ってしまう。


高温の溶鉱炉に何度もガラスを入れては出し、息を吹き込みながら少しずつ形を整えていく。


熱と冷却、そしてカットと馴染ませの作業を繰り返しながら、ガラスは少しずつ完成に近づいていった。



手際の良さと、動きは驚くほどリズミカルでしなやかな姿が印象的。


無駄のない動作、時には大胆に、時には繊細に、炎と向き合いながらガラスに命を吹き込んでいく。


やがて完成したワイングラスは、あの荒々しい炎の中から生まれたとは信じがたいほど涼しげで、そして優しい雰囲気を感じる。


同じ工程を経ても、ひとつとして同じものはなくそれぞれが唯一無二の存在として、そこに静かに並んでいるようだ。

PROFILE

三宅吹硝子工房
三宅義一

1972 岡山県岡山市に生まれる
1994 鳥取大学卒業
1996 愛媛県伊予郡 吹工房 村上恭一氏に師事
1999 広島県福山市 グラスヒュッテ舩木 舩木倭帆氏に師事
2009 岡山市にて三宅吹硝子工房を設立
2010 日本民藝館展、国画展 入選
2011 国画展 奨励賞
2012 日本民藝館展 奨励賞
2022 国画展 新人賞

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