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2025.07.05

Voyage to Crafts ものづくりのであい “いかご・須浪隆貴”

ものづくりの種は人と人の出会いから生まれる。

各地の作り手を訪ねた旅路の記録。

第一回はいかご(い草のかご)を編む須浪亨商店5代目の須浪隆貴さん。

青々としたいぐさの香りを辿り、花ござ発祥の地、岡山・倉敷を訪れました。

かご作家 須浪隆貴さん

2025.05.14

photo: Masahiro Sakabe
text: Yuko Sakabe

どこか懐かしい雰囲気が漂う古い納屋に、ひときわ目を引くのが巨大な織機。

須浪さんの師匠であるおばあ様から受け継いだもので、この織機でいかごを作成している。

織機はとても原始的で、織機の木と熊本で作られたいぐさが音を響かせながら

いかごの側面となる部分が丁寧に編まれていく。

一織り一織り手作業で織り込み作成した後には、手作業で成型し形を整え仕上げる。

工房には須浪さんが集めた民藝品や古道具などが無造作に置いてあり、見ているだけでわくわくするものばかりだ。

好きな物に囲まれて作業する須浪さんの姿を、外の小さな畑でおばあ様が作業をしながら温かく見守っているようだった。

いかごは、使い始めてから少しずつ変化していき、使うほどに色合いが深まり、持ち手部分が手になじんでいく。

いぐさの素材の特性を最大限に生かしたいかご、使うたびに深まる色合いや、手になじんでいく感触と経年変化も楽しみである。

PROFILE

創業1886年の須浪亨商店は、もともと岡山県倉敷市にてござを製造していました。花ござ発祥の地である倉敷では、いぐさの農業やい草製品の産業が盛んでしたが、産地の衰退とともに須浪亨商店ではござは作らなくなり、現在はいぐさのかご「いかご」を作っています。

現在5代目の須浪隆貴さんは子供のころからお祖母様に教えてもらって「いかご」を引き継ぎ、1つ1つ丁寧に手仕事にこだわり作られています。

須浪亨商店

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