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2025.07.23

Voyage to Crafts ものづくりのであい “型染・石北有美”

ものづくりの種は人と人の出会いから生まれる。

各地の作り手を訪ねた旅路の記録。

今回は春の穏やかな瀬戸内を辿り広島県・福山市へ。

ティグルブロカンテとも毎年多くのコラボレーションを行っている染色家・石北有美さんの工房を訪ねました。

染色家 石北有美さん

2025.05.13

photo: Masahiro Sakabe
text: Yuko Enjoji

静かな住宅街に佇む古民家の工房は、緑に囲まれ穏やかな空気に包まれていた。

石北さんが手がけるのは「型染(かたぞめ)」という技法。生地を見ていると大胆で伸びやかな表現が目を引くが、その背後には驚くほど繊細で緻密な作業の積み重ねがある事に驚かされた。

デザインから型紙を作成し布に模様を施し、染料で色をのせていく。

工房では、端から端まで広げた布に糊を置いていく作業と、一方では刷毛を使って丁寧に色をのせていく作業が進められている。

その間にも乾燥、洗い、などのいくつもの作業があり、そうした工程が何度も何度も繰り返されていく。どの工程をとっても重要でかかせない。

完成までには非常に多くの手間がかかり、経験と技の積み重ねだと感じた。

そうして生まれた作品には、石北さんらしい柔らかな色合いが表れている。

ひとつひとつの手作業が重なってできた布には、温かみがあり、手に取ると自然と気持ちがほぐれていくようだった。

PROFILE

石北有美 Yumi Ishikita
(公式サイトより抜粋)

「型染」という伝統的な手仕事の温かさと素朴さに魅せられて、オリジナルの布を染めています。布一枚によって空間のイメージがガラリと変わり、その場がパッと明るくなったり、見る人に元気を与えたり…。私は、そんな布を制作することを目指しています。

1974 広島県福山市に生まれる。
1997 女子美術大学 芸術学部工芸科卒
2005 「染色工房 幟屋」設立
2012 「国展」初入選(国立新美術館)
2014 ティグルブロカンテとアパレルコラボ
2014 第88回「国展」新人賞受賞(国立新美術館)
2016 「日本民藝館展」奨励賞受賞(日本民藝館)
2021 倉敷民藝館賞状デザイン制作
2022 第96回「国展」国画賞受賞(国立新美術館)

幟屋

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